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本当に大切なものとは

 



ある施設に智恵に障害のある女の子がいた、名前を愛ちゃんと言う。名前の様に愛らしい可愛い子である。

母親は病死し、父親も仕事の都合で一緒に暮らせないため、この施設に預けられている。

まもなく中学を卒業と共に施設を出なければならない。共同作業所に就職も決まった。社会生活に必要な最低限のことを覚えて貰いたいと、施設の先生達は一生懸命になる。

5円玉・10円玉・50円玉・100円玉・500円玉を並べる。

「どれが一番大きなお金かな」と特訓を続ける。

「500円玉が一番大きなお金なんだよ」と教えるが、愛ちゃんはよく間違う。10円玉が一番大切だと指さす。

「違うんだよ、500円玉、これが一番大切なお金。わかった?」

何度も、何度も特訓を繰り返し、やっと理解出来た様である。

いよいよ明日が施設を出るという日の夜、施設の先生達は、最後に特訓の成果をもう一度確かめようと、愛ちゃんに問いかける。

5円玉から500円玉までを並べて、どれが一番大切なお金かと問いかける。あれだけ特訓したのだから、「500円玉が一番大きなお金だよ」と答えが返ることを信じていた。

しかし、愛ちゃんは10円玉を指さし、「これが一番大切なお金」と、先生達をガッカリさせる。何度問いかけても10円玉が大切だと言ってきかない。

特に熱心だった若い先生は、「お前は本当にバカなんだ」と、決して言ってはならない言葉を、もう少しで口に出しそうになった。

長い沈黙のあと、施設の老院長が彼女に尋ねた。

「愛ちゃん。 どうしてこの10円玉が一番大切なお金なの?」

愛ちゃんは泣きじゃくりながら答えた。

「だって・・、だって・・。 このお金を赤い電話に入れると、わたしの大好きなお父さんとお話が出来るもの・・・。」

彼女に取っては、500円玉よりも、愛する父親と話せる10円玉の方が大切だったのである。

施設の先生達は、黙った。この子は本当に大切なものを知っていた。智恵遅れは一体どちらだろう、自らを互いが恥じた。


本当の価値、 もう一度考え直して見たいものである。






 



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